黄金の鍵

遡りつつ飽きるまで、観劇記録と思いつき

運命論信者とハイロー

 HiGH&LOW THE WORSTの公開からはやくも2週間が経とうとしております。皆様お元気ですか。わたしはとりあえず4回見ました。あと2回は行く予定です。

 

以下当たり前のようにザワ本編ネタバレして書いています。

 

 と言う訳で。DTCの上映後に予告を喰らって映画館で立てなくなってから1年が経ち、ようやくHiGH&LOW THE WORST(通称:ザワ)が上映されました。この間同じくLDHがぶち上げた新プロジェクトということで、プリレジェ(PRINCE OF LEGEND)を軽率に覗きにいったら身動き取れなくなるくらいまでハマり、そこから芋蔓式にBATTLE OF TOKYOそしてJr.EXILEにハマるというコンボを見事に喰らいました。おたくは学習しない。このことについてはまた違う記事書きます。

 そもそも2次元のおたくのマジョリティの例に漏れず、自分も数年前まではLDH界隈を敬遠していました。テニミュのおたくもしているので輪をかけて遠ざけていました。そんな自分がどうしてハイローにハマったのかというと、轟洋介の中の人をはじめとするseason2からの新キャストがあまりにも魅力的だったからです。物心ついて初めて好きになったテレビの向こうの人間だった前田公輝、特撮で気が狂うほど好きなキャラを演じていた稲葉友。この2人の存在がとにかく大きすぎて今まであれほど避けていたコンテンツだったのに一瞬で視聴を決めました。特に公輝くんは2.5からの戦国鍋で10年ぶりに運命的に(画面越しに)再会した直後だったので、これは見ない訳にはいかないという気持ちに拍車がかかりました。見始めてみればアクションは凄まじいわ映像にとにかく金はかかっているわでそれまでの偏見も価値観も吹っ飛ばされました。途中でHulu入ってseason1も一晩で見ました。お蔭で山王のみんながやたらと沈痛な面持ちだった理由がやっとわかったけれど、チハルがどうしてあそこまでナチュラルに受け入れられているかは余計にわからなくなりました。

 そしてepisode7,8。これは本当に誇張抜きで50回くらいは見ています。毎回村山さんと轟くんの拳がぶつかるところで絶対「痛い!!!」と叫んで見ています。物心ついて初めて好きになった芸能人が、変わらぬ格好良さで、黒髪学ラン片耳ピアスという性癖どストライクのキャラデザをして*1、これまた性癖どストライクな性格で、D2の中でも特に好きな山田裕貴演じる村山さんという番長とタイマンを張る。もう訳わからないくらい好きなものしか詰まっていなくて今こうして文字に起こしていても混乱します。これほどまでにハマるものに出会えるなんてもう運命としか考えられない。とどめのデコピンと、最高にアガるタイミングでのチームソング(と、定時を煽りまくるちゃんじん演じる中園)で追い打ちかけられて初見は処理落ちしました。ザムのトラックのところも抗争終了後の距離感も最高だった。

 これだけ思い入れがあるのにEOSやFMでは全く影も形もなかった全日、というか轟くんにスポットが当たるスピンオフが製作される。そう思っていました。ですが、公開されたザワの予告で、あの村山さんのセリフを口にして中心に立っているのは轟くんではありませんでした。twitterでお気持ち表明しまくるくらいには割とかなりショックを受けました。鬼邪高の、全日の頭は絶対絶対轟くんじゃないと嫌だ。ep.0の視聴を経て楓士雄というキャラクターの解像度が上がっても、幕張で本編見るまではずっとそう思っていました。

 そして迎えた運命の日。会場にいるほぼ全員が初見で、会場の雰囲気という特性もあり、半ば応援上映のような形で本編を視聴しました。ちゃんと轟くん出てきた時に会場が沸いてくれてよかった。上映終了後、とりあえず友人に向けて発した第一声は「やっぱり轟洋介しか」でした。悲しいほどにおたく。

 村山さんとの再戦に始まり、河川敷での抗争では鳳仙相手に単騎でほとんど無傷で善戦し、絶望団地戦でも形勢逆転投石からのシャツの裾も出さない*2圧倒的活躍を見せ、ラストの神社では全日のみんなと同じ話題を共有する姿が見られて、まさに轟洋介満漢全席という感じの内容でしたが、どこかに違和感を感じていました。

 確かに楓士雄は人たらしのイイやつで、圧倒的光属性の陽で、文句のつけどころの無いほどに主人公として成り立つキャラクターです。けれど、結局いつも主人公校よりライバル校、いい人よりも悪人、まともな人よりも狂人を好きになってしまう自分にとっては、『どうしてもなんとなく好ましく思えない』キャラクターでした。勿論演者さんは好きですし、キャラクターとしても(ちょっと前述とは矛盾しますが)好きです。そもそもハイローに嫌いなキャラクターがいない。全員主役。それでもどこか好ましく思えない楓士雄に、好きな轟くんが影響を受けて変化している、と感じてしまう自分がいました。これがザワを見て感じた違和感の正体でした。一方通行における打ち止め、加々美いつきにおける有賀涼、轟洋介における花岡楓士雄。新たに生じたキャラクター同士の関係性も好きだけれど、それとは別に、影響を受けて変化する前のキャラクターのほうがどうしても好きだった。この問題に以前から悩まされていました。自分にとっては好ましく思えない変化でも、そのキャラクターの根幹に関わる変化であり、切り離して語ることは到底できないため余計に感情が複雑化してしまう。この悪循環を割り切れずに過ごしていました。

 幕張でのイベントから公開初日まで、ずっとひとりで悶々とこの感情を抱えて過ごしていました。ですが、公開初日を過ぎると次第に様々なハイローのおたくの考察や感想が流れてくるようになりました。それらの多くはあまりにも轟くん中心に物事を考えすぎて、轟に足りなかったものが楓士雄にあるだの轟はザワで成長しただのうるせ〜〜〜しらね〜〜〜〜Ain't Afraid To Die状態だった厄介過激派轟洋介原理主義者の自分の考えを、次第に広げてくれたように思います。まさに井の中の蛙大海を知らず。ありがとうtwitter、ありがとうおたくの集合知。現在はとりあえずのところ、鬼邪高全体の頭は村山さん卒業により不在となった/全日の頭は轟くんのまま/定時に認められている全日は轟一派だけ/楓士雄はまだ轟くんには勝てない/轟くんは自分に足りないものが何かわかった/それを備えた頃には定時も含めて真に鬼邪高の頭になるはず、というところで自分の中では整理をつけたつもりでいます。楓士雄によって轟くんに引き起こされた変化については、正直なところ完全には受容できたわけではないけれど、これを踏まえて轟洋介が轟洋介の目指す完全体に近づくのであれば良いのかな、とも思います。でもこれから感想とか読んだりザワ見たりしたらまたいろいろ変わるんだろうな。

 何があろうと轟洋介は最強だし轟一派は最高なことには変わりは無いです。ep.0で八木高に3人だけで乗り込むところ最高すぎませんか?あれはもう神話です。

 そして余談ですが、ザワはいにしえのD2のおたくの自分がとにかく涙した映画でもありました。やまだゆーきにちゃんじんにじゅんじゅんにあっちゃん。大スクリーンでこれだけ大暴れしているところが見られる日がくるなんて。ずっと好きです。

 ちなみにおたくに大刺さりして大バズりし、現にハイロー初見だった友人を何人も仕留めた小田島有剣ですが、刺さることには刺さったものの、唯一神轟洋介を崇める一神教の信者だったので信仰鞍替えとまではいきませんでした。でも対戦カード組んでくれたのにはめちゃくちゃ沸きました。鳳仙スピンオフ……待ってます……ッ(CV.コブラ

 

 という訳で(?)、物心ついて初めて好きになったテレビの向こうの人に、1●年越しに画面越しに運命的に再会し、その結果新規ジャンルを開拓して性癖ドンピシャなキャラに運命的に出会い、思考が狂ったという、狂気の運命論信者による記事でした。運命はマジであると思う。これはガチ*3

 とりあえず全人類ハイロー見てください。テニミュのおたくで宗教上の問題で敬遠している人がいたとしても今回のザワは大丈夫です*4。よろしくお願いします。ハイローはいいぞ。

*1:好きなキャラクターの原点が雲雀恭弥なのでお察し

*2:轟くんは格下相手では着衣が乱れることは無い

*3:ハイローによる副作用で語彙力が低下した

*4:某T氏が全く出演しないので……