黄金の鍵

遡りつつ飽きるまで、観劇記録と思いつき

2014.08.09 全国立海 大阪公演 マチネ その1

 驚く程色々な偶然が上手い具合に重なって観ることができた、最初で最後の2ndシーズンの本公演生観劇でした。
 
 
 めちゃくちゃ長いので折り畳みました↓

 

 名古屋から大阪まで快速〜特別快速で移動しましたが、往路3時間+公演約4時間+復路3時間 で一日で10時間程度座りっぱなしという腰には優しくない日程でした…。おまけに、往路は台風本土接近により不二先輩もびっくりなくらいのヘビーレインで、前日当日と電車が運休しないかひたすらびくびくしていました。何はともあれ無事に到着・観劇。
 
 恐る恐る物販に並び、恐る恐る写真とパンフを頼み、軽く腹ごしらえをし、いざ着席。2階席の上手寄りほぼ真ん中の席で、全景を観られる席でした。
 開幕アナウンスまでの時間が緊張も相まってとにかく長かったです。これがこの日一度目の永遠にも感じられるひとときでした。
 柳生もとい味方さんの「ベンチの王子様」の一言で、ぼっち観劇の緊張が一気に解れてリラックス出来たのは忘れられない思い出です。
 冒頭のあのテニスシューズの音、ラリー音を聞いた瞬間に「あ、テニミュだ」とも思ったけれど、でもテニミュを観ている感覚は全く無く、何度も自分の腕を抓って本当に現実なのかを確認しました。ちゃんと痛かったのですが、ひたすら白昼夢をみている感覚でした。
 続いて登場したリョーマは「小越勇輝の演じるテニミュリョーマ」ではなく、本当に本物の越前リョーマでしかなくて、同じ空気を吸っていることが信じられなかったです。二次元の世界のキャラクターのはずなのに。
 ダンスと音楽、それぞれのダンスとダンスがひとつのぶれも無しにぴったりと揃っているのが本当に美しかったです。生の群舞にただひたすらに圧倒されました。これが青学…。
 
 ちなみに、私のテニミュ知識は1st初演、2ndルド吹、セイヤーPVをそれぞれDVDで観、各公演でどのような曲があるのかをCDなどで知った程度。テニプリ知識は原作をルドルフ〜山吹戦、関東立海戦のみ読み、後は対戦カードとその勝敗、話の粗筋を知っている程度でした。全国立海も勝敗しか知らず、相当に不勉強な状態でしたが、これがむしろプラスに作用したかな、とも今となっては思います。一番好きなキャラは当時は千石でしたが、当然出演しないので次に好きな幸村に注目しようと考えていました。昔から主人公よりそのライバルや敵を好きになる傾向が強かったので、この時も気持ちは立海寄りでした。
 
 一幕冒頭、南次郎(森山さんでした)がリョーマに毛布をかけて自分も寝る時に、「♪知ってるかい?you knou?」と歌った時はとにかく頭の中に電流が走ったようでした。1stだ、1stと繋がった!と。
 この辺りのシーンは、照明の凄さにひたすら驚いていました。私の中では「舞台=ペダステ」、人力を尽くしたものだったので、テニミュの照明と音の融合が衝撃的でした。リョーマの枝打ち練習の時は、ステージ後方から照明が当たり、壁にそのシルエットが映ります。それがとても綺麗で、ステージに注目しなければ、と思いつつそればかり観ていました。
 そして水落ちのシーン。バックの映像を見て、ふと頭の中に胎児、母体回帰、胎内回帰という単語が水の泡のように浮かんでまた消えていきました。
 
 試合開始前の挨拶、声音が完全にリョーマだったのでしばらく堀尾だと気付きませんでした…。この辺り、完全にテニミュの世界に引き込まれていました。
 
 S3。胸が痛い、観ていて辛い試合でした。自分を犠牲にしてまでもチームに勝利をもたらそうとする手塚も、真っ向勝負にどこまでも拘りたかった真田と、勝利しか見えていない幸村と、全てが切なかったです。
 いつも手塚の心配を真っ先にするのは大石で、名前を呼び制止しようとする声は歌の中でも一際悲痛でした。けれど、その横で海堂も手塚の心配をして声を上げ、動いていたのがふと目に入りました。そこにあった先輩と後輩以上の、これからに繋がりそうな関係が見えた気がしました。
 最後の真田と手塚の握手に籠もっていた真田の切なる思いも脳裏に焼き付いていますが、それ以上にその後の幸村の冷ややかな視線がどうしても忘れられません。
 
 D2。1stの“雑魚へのカノン”,“赤いデビル”の2曲が大好きだったので、それが聞けなかったことがかなりショックでした…。ところどころで歌詞を台詞として挟んではいましたが…。
 また、デビル化の下りもあっさりしていて、どこでスイッチが入ったのかがよく分からなかったなぁ、と。けれど、ここからが凄まじかったです。うずくまった赤也。最初は泣き声だったのが徐々に叫び声に変わり、それから笑い声になって、そして最後には嗤い声に。鳥肌が背中から一気に全身に広がるのが分かりました。
 そんな赤也をはじめは操っていた柳が、最後にはコートの隅にただ立って試合を見つめるのみ、ということに気付いた瞬間、何故だか震えが走りました。目つきが違った。
 最後は棄権により勝利したにも関わらず、いつまでもデビル化したまま嗤い続ける赤也が本当に怖かったです。喉は大丈夫なんだろうか、と余計な心配をするくらいにリアルな嗤い声と叫び声でした。
 
 四天宝寺のハーフタイムショー!思わぬ腹チラに興奮したのは言うまでもありません…。手拍子をするのが楽しくて、前二つの試合で曇った気分も一気に晴れました。最高のハーフタイムショーでした!
 
 S2。不二先輩の迫力が2階席でも分かるくらいでした…。気迫だけで仁王に勝っていた感が否めない…。
 イリュージョンで現れた手塚と白石はひたすら無表情なのに息を呑みました。先程のハーフタイムショーの白石との落差が激しすぎました…。
 そして不二先輩のターン、クローズドアイ。この曲の入りが大好きなので、あのイントロと台詞が聞こえた瞬間に自分のテンションゲージが吹っ切れました。大興奮。矢田ラートが絶好調でした。
 続いて、曲の方のイリュージョン。この低い妖しいイントロも大好きです。ピンクの照明も妖艶でした。2度目のサビ(?)の部分で、仁王・手塚・白石が一斉に同じカクカクッとした振りをするところがぴったり揃っていて、まるで操り人形でした。
 試合終了後、拗ねる仁王に寄り添う柳生の紳士さたるや…。流石ベンチの王子様です…。
 
 D1。待ちに待ったプラチナペアの晴れ舞台。前述の通り青学よりも立海を応援していたので、プラチナペアを見られることがとにかく嬉しかったです。今後の展開を知っていても。
 プラチナペアの曲中、とにかく二人はきらきらしていました。全国トップの実力とそれに見合う練習量、自信が見え隠れしていて、そういうことを何となく考えたら、誇らしくもあり切なくもあり…。
 ゴールデンペアの最後のシンクロ。百練自得の時のような明るい明るいスポットと、星が円形に散ったスポット。見た瞬間にああこれで終わりなんだ、とどこかでそう感じていました。ですが、その影になっているプラチナペアからどうしても目が離せませんでした。さっきのプラチナの二人よりもきらきらに輝いて、大石と菊丸が生きているけれど、でもその奥でシンクロという奇跡の塊(だと思っています)に手玉に取られて着実に負けへと向かうプラチナペア。試合終了後のプラチナは、すごく小さく見えました。
 
 場面変わってリョーマと桃ちゃん。桃ちゃんの歌が切実で悲痛で、海堂も乾も必死でした。記憶を思い出させようと必死な先輩たち、思い出さないといけない、と必死なリョーマ、けれどどうしてそんなに必死になっているのか/ならないといけないのかが分からないリョーマ、テニスってなんだっけ、と葛藤するリョーマ。全部がぶつかり合って渦巻いていて、ここもまた見ていて苦しくて切なくなりました。
 この2幕終わり、シルエットで登場するライバルズが反則的にかっこよくてかっこよくて。あのルド吹に出ていた裕太が、亜久津が、そこに生きている!とこの日何度目かの大興奮でした。
 
 かなり長くなったので分割します。その2は3幕〜の内容の予定です。